書籍情報
評価 | |
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購入形式(紙・Kindle・Audible) | 紙のみ |
出版社 | 草思社 |
試し読み | なし |
紹介ページの充実度 | あまり詳しくない(Amazon紹介ページ) |
著者名 | 奥田弘美 |
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執筆時の年齢(出版年-生まれ年) | ●歳(2009年出版-●年生まれ) ※年齢情報見つからず(平成4年に大学卒業との記述あり) |
関連サイト | 奥田弘美公式サイト |
著者の職業 | 精神科医 |
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経験・キャリアなど執筆背景 | 社会人になって数年間、憂鬱さを感じて悩んでいた経験(詳しくは後述) |
過去の著作点数 | 10点以上(共著など含む) |
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前作から本書発行までの経過期間 | 「セラピストのためのストレスケア入門」(2009年)より1年未満 |
刷数・発行部数 | 情報なし |
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書店などのランキング情報 | 情報なし |
謙虚さ | 女性ならではのやさしい感じ、励みになる |
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他書からの引用、参考文献 | 普通 |
誤字・脱字 | 特に気づかず |
タイトルと内容のギャップ | 問題なし |
感想
まず著者の経験談を紹介したい。
私たちは、仕事や会社に対して、やりがいや楽しさ、自己の成長などが感じられないと、不満や悩みを持ってしまうわけです。(略)
じつをいうと、私自身が、社会人になって数年間、そういったことを感じて、しょっちゅう悩んでいました。
医師という比較的高収入で、週休2日という条件の良い仕事であるにもかかわらず、「生きがいがない」「仕事が面白くない」「人間関係が楽しくない」と感じて憂鬱になっていたのです。
経験も少ない若い医者は、ベテラン看護師からバカにされたり、気難しい指導医に怒鳴られることも、しばしばです。そんなこんなで、社会人になって数年は、医師という職業が自分の理想とかけ離れている現実に馴染めず、漠然と転職すら考える毎日だったのです。
しかし私は、ある出来事がきっかけで、この自分の理想を手放しました。(略)
このある出来事とは、妊娠によってリストラされたことでした。非常勤形態だったため、妊娠前後は休みがもらえず、リストラされてしまったのです。 (p85)
医者という立場でここまで、自らの経験をさらけ出していることに驚いた。
本書では「少し淡白に見えるものの、優しく真面目で誠実」なビジネスマンのことを「草食系ビジネスマン」となづけている。
真面目で不器用であるがゆえに、悩みがち、凹みがちになっている草食系ビジネスマンに捧げたい。 (p6)
こう語る著者。
執筆のきっかけは、本書の編集者からの「僕のような不器用で真面目で気の弱いビジネスマンを励ます本を書いてもらえませんか?」とのオファーだったという。
まさに【草食系ビジネスマン】とサラリーマンの気持ちが分かる精神科医とのゴールデンコンビ。
共感したフレーズをピックアップしておく。
ピックアップ
いっそのこと、「会社では楽しくなくて当たり前。仕事は面白くないのが普通」と、割り切ってみませんか? そうです、開き直ってしまうのです。 (p84)
極端な話、会社が求める仕事を滞りなく遂行できていれば、あなたは、「皆と仲良くなくてもよい」、「誰かから嫌われていてもよい」のです。 (p99)
クヨクヨと悩むことはたしかにつらいことではありますが、決して悪いことではありません。クヨクヨしながらも、「何か解決策があるはずだ」と、試行錯誤しながら探しつづけていくことに、大きな価値があるのです。(略)
クヨクヨしてもいいから、こうしたらどうか、それがダメなら、ああしてみようかと、思考と行動を止めないこと……それが大切です。そしてその解決法が見つかったら、それは自信となり、財産となっていくのです。 (p160~161)

