書籍情報
評価 | |
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購入形式(紙・Kindle・Audible) | 紙/Kindle(Audibleなし) |
出版社 | 大和書房 |
試し読み | 可能 |
紹介ページの充実度 | あまり詳しくない(Amazon紹介ページ) |
著者名 | 西多昌規 |
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執筆時の年齢(出版年-生まれ年) | 42歳(2012年出版-1970年生まれ) |
関連サイト | 精神科医 西多昌規 Official Website @masaki_nishida – Twitter 西多昌規 – Wikipedia |
著者の職業 | 精神科医 |
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経験・キャリアなど執筆背景 | 睡眠医学を研究。月300人の診療を行いながら、臨床研究や医学生・研修医の教育に携わっている。
↓自身の苦労話 |
過去の著作点数 | 1点 |
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前作から本書発行までの経過期間 | 「脳を休める」(2009年)より約2年 |
刷数・発行部数 | 情報なし |
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書店などのランキング情報 | 情報なし |
謙虚さ | 謙虚な姿勢。自ら苦労した経験もあるようでとても患者思いな方。「小難しい研究の話題は、できるだけわかりやすく説明することに努めました」(p2) |
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他書からの引用、参考文献 | 普通 |
誤字・脱字 | 特に気づかず |
タイトルと内容のギャップ | 問題なし |
感想
今まで、うつやメンタルヘルスの本を読みあさって分かったこと(不満)は
- 医者の目線で書かれた本の多くが、ゆる過ぎる
- ビジネスパーソンの実際の仕事にどう役立てればいいのか、具体的な方法が示されていない
ことだった。
医者の多くは【会社】という職場に属した経験がないのだから仕方がない。
しかし、本書は【気持ちをラクにする】仕事のやり方が具体的に書かれている”珍しい本”である。
気に入ったフレーズをいくつか紹介する。
いつものペースより落としても、あなた以外はだれも困らない
慌ててばかりの状況を続けていると、想定外のことが起こる可能性も高くなります。(略)大急ぎで作った書類に重大な不備が発覚する、メールを1秒でも速くと焦るあまり内容の練れていない文面のまま送ったり、添付資料を取り違えたりしてしまう。
スピードはもちろん大切ですが、リスクが伴っているのです。 (p67)
実際、仕事は結果として【それほど急がなくても】うまくいくことが多い。
焦って滅入ってしまい、冷静な行動が取れなくなる状況が続くと辛いが、心構えを変えるだけでだいぶ違うと思う。
「力を貸して」と頼めるひとがラクになれる
自分で解決する姿勢はもちろん大切です。しかし個人の偏ったやり方で仕事を進めてしまうと、方向性が誤っていたときに取り返しがつかなくなります。他人による適切なフィードバックが必要なのです。
また、ひとには得意不得意があります。不得意な領域は、他人に協力してもらったほうが、お互いのためにプラスになります。 (p74)
「ヘルプ」という言葉よりは、問題を「シェア」するといった表現のほうが、これからの時代には合っているのかもしれません。ポイントは、問題を個人ではなくチームの課題としてとらえることです。 (p76)
極端な話【自分がいなくても】誰かが何とかしてくれるものだ。
自分が、自分が、と気を急いても、気疲れするだけ。
【ヘルプ】を求めることに気兼ねしてしまう人でも、問題の【シェア】なら少しハードルが下がるような気がする。
ルーティンワークが苦痛なら、「しないですむ方法」を考える
「どうしてこんな仕事があるのかな?」
「なんでこんな方法でやってるんだろう?」
そう内心感じつつも、慣れてくると感覚が麻痺してきて初心を見失ってしまう・・・
会社”あるある”だ。
いきなり「変える」「やめる」よりは、まずどういう仕事がルーティンワークかを考えてみましょう。仕事には必ず目的があります。一見、当座のつまらない作業に思えたとしても、会社や組織の目標を再確認すれば、自分の仕事の意義を見つめ直すことができます。(略)
大きい、本質的な目標までさかのぼって、自分の仕事を再チェックしてみましょう。 (p79)
仕事がデキるビジネスパーソンにとっては、なんらどうってことのない初歩的なことかも知れない。
しかし、医者の目線で書かれた本で、ここまで【仕事のやり方】にまで踏み込んだ本は記憶にない。
本書には、運動や睡眠などの一般的な内容もバランスよく紹介されているので、少し疲れ気味だな・・・と感じたら一読してはいかがだろう。

