医者・カウンセラー(男性)

もしかして、適応障害? 会社で“壊れそう”と思ったら

書籍情報

評価
購入形式(紙・Kindle・Audible) 紙/Kindle(Audibleなし)
出版社 CCCメディアハウス
試し読み 可能
紹介ページの充実度 充実しているので購入検討にあたっては是非参考にすべき(Amazon紹介ページ
誰が書いた本?
著者名 森下克也
執筆時の年齢(出版年-生まれ年) 57歳(2019年出版-1962年生まれ)
関連サイト もりしたクリニック
東洋経済オンライン
どんな立場で書かれている?(専門家 or 経験者)
著者の職業 心療内科医
うつ経験など執筆背景 大学病院での勤務時代にストレスに苦しんだ旨の記載はあるが、自身がうつなどの病気を患った経験については書かれていない。
執筆経験、本書の準備期間
過去の著作点数 12点
前作から本書発行までの経過期間 約7カ月
売れゆき(刷数・発行部数、書店ランキングなど)
刷数・発行部数 情報なし
書店などのランキング情報 情報なし
主観による評価
謙虚さ 大変謙虚な姿勢で好感が持てる。上から目線なところは一切感じられない。
他書からの引用、参考文献 普通
誤字・脱字 特に気づかず
タイトルと内容のギャップ 問題なし

内容

なるとし
なるとし
この本を自信をもってオススメします!!

「おわりに」でこの本に対する著者の思いが書かれている。

私自身、大学病院で仕事をしているころ、巨大組織ゆえのストレスに苦しみましたが、心の内を先輩の精神科医に相談しても、何ら解決には至りませんでした。

そういう苦い過去の体験もあり、私はずっと、適応障害に関する本を書きたいと思ってきました。

それも、単なる医学的な解説本ではない、現実のストレスの現場に則した、セルフコントロールに関する本です。そういう意味で、今回、ストレスに直面した人が、読んですぐに役に立つということを意識して書かせていただきました。

約30年にわたって、心療内科医として適応障害の患者の治療に携わってきた、著者のこの本への思いが伝わってきて、胸にグッときた。

内容を私なりにリストアップすると以下のとおり。まんべんなく、適応障害についての知識が得られる。また、随所に自己診断できるチェックリストが盛り込まれており、自身の症状を照らし合わせながら、対処法を知ることができる。

  • 適応障害とは?
  • ストレスのメカニズム
  • ストレス反応の3段階(警告期/抵抗期/疲弊期)
  • 適応障害の3つの要素(外部要因/内部要因/時間要因)
  • ほかの精神疾患との違い
  • 対人ストレス(対人葛藤/対人劣等/対人摩耗)
  • 「創造する価値」と「貢献する価値」
  • ストレス反応のタイプ(執着性格/タイプA/循環気質/回避性性格)
  • タイプ別の気をつけること
  • 適応障害で見られる身体症状と対処法
  • うつ病リスクへの抵抗と無自覚
  • 問題上司、問題同僚への対処法
  • セルフコントロール(打たれ弱さの克服)
  • 医者とのつきあい方
  • ストレス回避の方法(人間関係の調整/軽減勤務/自宅安静)
  • 処方される薬の種類
  • 自宅安静の3ステップ
  • 復職に立ちはだかる3つの壁

ピックアップ

目から鱗だったのは、後半に書かれていた以下の2つ。

  • 自宅安静の3ステップ
  • 復職に立ちはだかる3つの壁

私自身、休職と復職を何度か繰り返してしまった経験があり、当時この本を読んでいたら・・・と悔やまれます。

また、医者のバックグラウンドとして、以下2つの違いがあり

精神科
統合失調症や躁うつ病など、脳の病気として心の病を診るため、環境因子である「外部要因」への関心が自ずと薄くなる

心療内科
心理・社会的なつながりの中で心の病を診ることから、職場ストレスという環境因子を重視する

また、薬だけを処方していても、肝心な「外部要因」の問題を解決しなければ治らない、といった話は大変勉強になった。

そう言えば・・・症状が改善されず、病院をいくつか変えたが、薬を変えるアプローチばかりで、職場環境の改善についてほとんど提案してくれなかった医者もいれば、「少しずつ薬を減らしていきましょう」と言ってくれた医者もいたっけ。

自宅安静の3ステップ

第1段階「ダラダラ期」
徹底的に何もしない時期(仕事に対して無責任になる)

→ だんだんと退屈になってくる

第2段階「活動期」
快を得る、筋力の回復、いかに再発させないかを考える(溜まってきた気力と体力を使って、楽しみながら活動範囲を広げる)

→ 自分なりの楽しみも味わい、更にゆとりが出てくると飽きて、働きたくなってくる

第3段階「復職期」
生活リズムを職場のリズムに戻す(苦痛なく社会への再適応を図る)

復職に立ちはだかる3つの壁

重要なことは、仕事の成果は一切求められていないということです。責任もありません。出社して帰宅するという決められた時間枠の中で、心と身体を職場に馴らしていくという作業に徹します。大病を患ったあと、一定の期間、病院にリハビリテーションに通うのと同じことです。

この言葉は救われる。しかし、これがなかなか難しい。

①長欠感情の壁
・劣等感(周りは頑張っているのに自分だけできない)
・孤立感(誰も声をかけてくれない、腫れ物に触るように扱われている)
・罪悪感(力になっていなくて申し訳ない)

自分が復職者という特殊状況にあることを認識し、周囲と同じようにできなくて当然、周りが気を遣って当然、と割り切る

②職場滞在の壁
・自分は貢献できていない
・存在価値がない
・不甲斐ない

・上長からの声かけ
・周囲と比較しない
・軽減勤務の期間をじっくり耐える忍耐力

③パフォーマンス回復の壁
・復職者は長く休んでいた負い目から、無理をしてしまう(本来の力が出し切れない)
・周囲は復職者を徐々に戦力と考え始め、仕事や責任が増えていく

【復職者が周囲の人にしてほしいこと】
・頻繁な声かけ
・体調への気遣いと理解
・業務の負荷への考慮
・よく話を聞いてくれる

【上長がすべきこと(前記に加え)】
・保健スタッフ、産業医との連携
・本人の同意のもとでの、ほかの部下への情報提供
・復職者が周囲のストレスにならないための配慮
・再発の兆候の監視

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