書籍情報
評価 | |
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購入形式(紙・Kindle・Audible) | 紙/Kindle |
出版社 | PHP研究所 |
試し読み | なし |
紹介ページの充実度 | 詳しくない(Amazon紹介ページ) |
著者名 | 片桐あい |
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執筆時の年齢(出版年-生まれ年) | ●歳(2019年出版-●年生まれ) 年齢情報見つからず |
関連サイト | @aichannel224 – Twitter 片桐 あい(Katagiri Ai) | 株式会社ビジネスプラスサポート |
著者の職業 | 人間関係問題解決コンサルタント。産業カウンセラー。キャリアカウンセラー(CDA)。行動習慣ナビゲーター。カスタマーズ・ファースト株式会社代表取締役。 |
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経験・キャリアなど執筆背景 | 日本オラクル株式会社(旧サン・マイクロシステムズ株式会社)サポート・サービス部門に23年間勤務。2012年に独立し、企業研修講師となる。これまで、年間約120件登壇し、約2万5000名の育成に従事。また、人財育成コンサルティングで、延べ3400名の育成にも尽力。 |
過去の著作点数 | なし |
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前作から本書発行までの経過期間 | - |
刷数・発行部数 | 情報なし |
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書店などのランキング情報 | 情報なし |
文体・雰囲気・謙虚さ | ロジカルな感じ。上から目線な感じは一切ない。 |
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他書からの引用、参考文献 | 見当たらず |
誤字・脱字 | 特に気づかず |
タイトルと内容のギャップ | 問題なし |
感想
「はじめに」の以下の言葉で本書の狙いはストレートに伝わるはずだ。
以前から、こうした職場の人間関係を改善するための書籍は書店にあふれていて、ベストセラーになっているものもあります。
ただ、そうした本のほとんどは、
「心の問題」に焦点が当てられており、その問題から「逃げる」「離れる」「自信をつける」といった心理学的な対処法になっています。
もちろん、そのような方法で関係が改善する人もいるかもしれません。仕事をするうえで、自分の心が軽くなったり、苦手な人が気にならなくなったりすることはとても大切です。
しかし、それでは問題の根本的な解決にはなりません。
なぜなら、そこに上司や部下という相手がいるからです。彼らとの人間関係が改善されないかぎり、あなたの仕事の生産性が上がり、業績アップにつながることは望めないでしょう。
本書は、職場の人間関係の悩みが消えて、さらに苦手だった相手と一緒に仕事で成果を出すところまでを目的にしています。
本書では「エニアグラム」という性格タイプ分類の理論を活用し、対処法が学べる。
タイトルにある通り、「苦手な人」の分析から入ってはいるが、自身のスキルアップとチームビルディングにもつながる示唆がある。
中盤までと最後(資料)で、以下の9つのタイプ別に、苦手としているタイプが<部下>の場合と<上司>の場合の両方について、かなりのページを割いて対処法を論じている。
タイプ① 自己流完璧主義タイプ
タイプ② おせっかい・干渉タイプ
タイプ③ 自慢・手柄横どりタイプ
タイプ④ 個性的すぎる・嫉妬タイプ
タイプ⑤ 分析・評論タイプ
タイプ⑥ 石橋をたたいて渡らない・風見鶏タイプ
タイプ⑦ あきっぽい・言い訳タイプ
タイプ⑧ 勝ち負けにこだわる・力ずくタイプ
タイプ⑨ はっきりしない・ぐずぐずタイプ
後半では、相手ではなく自分自身がどのタイプに当てはまるのか、それに応じて自らを変えていく方法について示されている。
・ 当てはまるタイプの強みを活かした他者への接し方を知る
・ その強みを他者に貢献することに使い、相手の信頼を得る
(自分にあって、相手にはない特徴だからこそ、相手にとってありがたい)
・ 自分のタイプを相手にとっての苦手なタイプに置き換えて、自分の短所に気づく
著者は本書の狙いとして「職場の人間関係の悩みが消えて、さらに苦手だった相手と一緒に仕事で成果を出すところまでを目的にしています」と述べているが、
仕事で成果を出すための改善ポイント、他のタイプから学ぶべきこと、いいチームをつくるためのヒント(他のタイプのいいところを取り入れるなど)が書かれており、説得力がある。
私も「エニアグラム」に出合ううまでは、苦手なタイプの人と得意なタイプの人がいて、「あの人はできれば避けて通りたい」「あの上司には認めてもらえない」「あの部下は面倒くさい」などと、人に対する好き嫌いが人並みにありました。(略)
しかし、プロジェクトのメンバーを選出する際に、いつもいつも自分の気に入った人だけを仲間にすることはできません。気難しい人や主張が強すぎる人、自分の意見を言わない人などもメンバーに入ることがあり、どう接したらいいのかずいぶん悩みました。
「公平に接しなければ」「相手に気分よく動いてもらわなければ」と思って試行錯誤しましたが、それでもうまくいくときと、なかなか成果が出ないときがあり、学んできたコミュニケーションスキルが万能ではことに気づきました。
こういった著者の過去の悩みを打ち明けてもらうと、読者としては引き込まれる。
プロフェッショナルの「学んできたコミュニケーションスキルが万能ではないことに気づきました」という言葉も刺さる。
冒頭、「心理学的な対処法」が根本解決にはならない、という件にはネガティブな印象を抱いたが、ひと通り読んでみると、著者の読者への【仕事の成果を出して欲しい】という思いが伝わってくる。
あなたの行動の足をとめるストッパーがなければ、あなたの周囲の人のストッパーがなければ、どれだけ仕事の生産性が上がることでしょう。
私はここに大きな可能性を感じています。
もし、このロスがなければ……。
あなたの仕事の質やスピードが増すだけでく、部門や会社全体の業績も上がるでしょう。
「おわりに」のこのメッセージもよかった。

