心の病 経験者(男性)

こころを病んで精神科病院に入院していました。

書籍情報

評価
購入形式(紙・Kindle・Audible) 紙/Kindle
※マンガ(コミックエッセイ)
出版社 KADOKAWA
試し読み 可能
紹介ページの充実度 詳しくない(Amazon紹介ページ
誰が書いた本?
著者名 安藤たかゆき
執筆時の年齢(出版年-生まれ年) 31歳(2015年出版-1984年生まれ)
関連サイト 低将の安藤たかゆき (@kumotoradayo) · Twitter
「太宰治みたいでかっこよくない!?」 精神科に入院した漫画家が見た病院の実態とは
どんな立場で書かれている?(専門家 or 経験者)
著者の職業 Amazon著者紹介に「現在、吃音症と統合失調症で通院しつつ漫画を描いている」「2015年『こころを病んで精神科病院に入院してました』で漫画家デビュー」との記載あり。
経験・キャリアなど執筆背景 吃音でうまく喋れず、小学校の時からいじめに遭い、中学では太宰治好きの文学青年となって、後に詩を書くようになる。「誰かに傷つけられる俺カッケー」というナルシシズムから自暴自棄の行動をとっては、周囲に面白がられる。接客のアルバイトでは吃って怒られる日々。その反動から家でリストカットを始めるようになり、ある時本気のリストカットをして意識を失っているところを母親に発見されて、本書の舞台となる精神科病院に搬送。
執筆経験、本書の準備期間
過去の著作点数 なし
前作から本書発行までの経過期間
売れゆき(刷数・発行部数、書店ランキングなど)
刷数・発行部数 情報なし
書店などのランキング情報 情報なし
主観による評価
文体・雰囲気・謙虚さ 文章はあとがきの2ページのみ。絵に関しては背景や物の描写が丁寧に描かれている印象。
他書からの引用、参考文献 なし
誤字・脱字 特に気づかず
タイトルと内容のギャップ

感想

同じような病気で苦しんでいる読者向けのメッセージはほとんどなく、あとがきに書かれている通り、担当医や看護師向けのお礼を込めて書かれた本という感じ。

前半は、入院していた精神科病院のレイアウトや生活の様子が淡々と描かれている。

中盤に入院した経緯があり、それほどリアルな絵ではないのに、「〇急ハンズで買った525円の使い捨てメスで本気のリストカット」という言葉には、読みながら身震いしてしまった。

後半は著者の退院に向けたほんわかしたエピソードもあり、気楽に読めた。

統合失調症という病気について、私は経験がないのでイメージできないが、あとがきにある著者の以前の生き方には、私自身にも思い当たるフシがある。

入院する前、私は常に全力で走り出しては休まず突っ切っていくような生活でした。世の先人たちの教えも「人生は短距離走だ。常に全力で走ることが大切だ」と教える人が多く、それを信じておりました。しかし私の場合、それだと心がもたなかったようです。

著者は過去を振り返り

・ つらいと思っているのに、つらくないふり
・ 美しいと思っているのに、美しくないふり
・ 嘘をついているのに、嘘をついていないふり
・ 今ある自分を否定して、ひたすらに前に進んできた
・ いつも自分を追い込んで勝ち進んできた

と明かしている。そして、退院後は心構えが一変したそう。

明日できることを今日するな」という言葉があります。私はこの言葉が大好きになりました。一見怠けに聞こえる言葉が一番合理的かつ持続的で「人生はマラソンだよ。自分のペースで走ってね」と教えてくれるようで、今はこの言葉を信じて生活しています。

我々もこの言葉を胸に刻んでおきたいものである。

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