『1万人超を救ったメンタル産業医の職場の「しんどい」がスーッと消え去る大全』(井上智介 著/大和出版)
産業医として毎月約30社と接している精神科医による職場のメンタル本、第1弾。
書籍情報
評価 | |
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購入形式(紙・Kindle・Audible) | 紙/Kindle |
出版社 | 大和出版(Kindle版:PHP研究所) |
試し読み | 可能 |
紹介ページの充実度 | 詳しくない(Amazon紹介ページ) |
著者名 | 井上智介 |
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執筆時の年齢(出版年-生まれ年) | ●歳(2019年出版-●年生まれ) 年齢情報見つからず |
関連サイト | @tatakau_sangyoi -Twitter あなたの会社は大丈夫?関西発!たたかう産業医! – アメブロ 100点は目指さない。金髪アフロの精神科医が教える心のケア/井上智介 |
著者の職業 | 産業医・精神科医。 様々な病院で内科・外科・救急科・皮膚科など、多岐の分野にわたるプライマリケアを学ぶ。産業医として毎月約30社を訪問。精神科医・健診医としての経験も活かし、健康障害や労災を未然に防ぐべく活動。精神科医として大阪府内のクリニックにも勤務。温泉療法医。 |
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経験・キャリアなど執筆背景 | 1万人超を診てきた経験。著者自身も「しょっちゅう傷ついたり落ち込んだりしています」「どん底に沈んで、今まで味わったことのないつらさを感じる時だってあります」との記述あり。 |
過去の著作点数 | なし |
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前作から本書発行までの経過期間 | - |
刷数・発行部数 | 情報なし |
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書店などのランキング情報 | 情報なし |
文体・雰囲気・謙虚さ | 親身になって寄り添ってくれる感じ。読者にプレッシャーをかける内容は一切なく、穏やかな気持ちで読み切れる。 |
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他書からの引用、参考文献 | 巻末に参考文献11点を掲載 |
誤字・脱字 | 特に気づかず |
タイトルと内容のギャップ | 問題なし |

感想
<はじめに>で著者は「産業医として延べ1万人以上を診てきた経験を通して生み出した独自の手法」と述べているが、印象としてはさまざまな本で書かれていることが多いような気がした。
しかしながら、産業医として毎月約30社と接しているだけあって、ビジネスパーソンにとっては身近な事例が取り上げられており、参考になる。
特に「潰し屋上司」の分析は、ビジネスパーソンの職場のことを熟知している産業医ならではと感じた。
そこそこ仕事ができて、上層部からの評価が高く、発言力が大きい上司。<部下のため>という大義名分のもと、サポートが必要な部下にも容赦なくプレッシャーをかけ続けた挙げ句、潰れそうになって思考停止の部下に「大丈夫か?」と訊ねるも、「はい……大丈夫です……」の返答を言質に、更に負荷をかけ続ける。
仕事を押しつけられそうな時の断り方など、具体的なテクニックにも踏み込めており、役に立つ。
内容としては<治療>というよりは、病んでしまって心療内科に行く手前の<予防>に関するものが多い。
共感フレーズとして以下をピックアップしておく。
人生は「60点合格」が一番心地いい
→「失敗しても仕方ない」という心の余裕が生まれる
自分でどうしようもないことは無視する
今できることにチャレンジする
嫌な奴との付き合いは「期間限定思考」で
→どんなに辛いことでも終わりが見えてれば心の持ちようが違う
あなたの「負け」が周りの人を大きく支えることにつながる
苦しんだ経験のある人の言葉は医者の言葉より重たい
→あなたにしか助けられない人が近くにいる可能性がある
挫折は織り込み済み
無理して「他人と比べない」のもストレスになる
→人間は他人と比べる動物だと割り切る
→相手の頑張りを認める
→相手に感謝する
逃げられるうちに逃げることが大切
最後に改めて、認識しておきたいこと。著者のこの言葉を引用しておく。
自分の弱さや自分の不甲斐なさを含めて、それが丸ごと自分自身である、と受け入れる感覚も身につけられたら、あなたがこれから抱える心の負荷を、かなり軽減できると言ってよいでしょう。
<弱さ>を認めてしまえば楽になれる・・・ 分かってはいるけど、私の場合はいまだに、自分に負けてしまうような気がして、少し抵抗がある。
(何度も負けてしまっているので、だいぶ免疫できてきたけど)
最後に余談だが、ネットで著者情報を調べてみて、金髪アフロヘアの風貌にビックリ!
こんな気楽なルックスの医者だったら、リラックスして相談のってもらえそうだ。

