医者・カウンセラー(男性)

「生きづらさ」を抱えた人の攻略法。「クエスト」で知るべきは自分のキャラ、得るべき仲間、キーアイテム

『メンタル・クエスト 心のHPが0になりそうな自分をラクにする本』(鈴木裕介 著/大和出版)

ゲームを心から愛するゲーマー医師による、人生RPGの攻略法

書籍情報

評価
購入形式(紙・Kindle・Audible) 紙/Kindle
出版社 大和出版(Kindle版:PHP研究所)
試し読み 可能
紹介ページの充実度 あまり詳しくない(Amazon紹介ページ

誰がどんな立場で書いた本?(年齢、職業、経験・キャリアなど執筆背景)

著者名 鈴木裕介
執筆時の年齢(出版年-生まれ年) ●歳(2020年出版-●年生まれ)
巻末の著者紹介に「2008年高知大学卒」とあるが、年齢情報は見つからず
執筆時の職業、プロフィール 巻末の著者紹介には「内科医・心療内科医・産業医」との記載があるが、本文中には「メンタルヘルスをライフワークにしている内科医」「精神科医ではないのになぜメンタルヘルスが『ライフワーク』」との記述あり。
経験・キャリアなど執筆背景 ゲームを心から愛するゲーマー(『スプラトゥーン2』のプレイ時間は2000時間超)。つらかった時に「ドラゴンクエスト」とそのキャラクターに救われた。

身近な人の「死んでしまいたい」「消えてしまいたい」という気持ちやSOSへのサポートを10年

自身も一時期、ライフワークにのめり込みすぎてプライベートが荒れてしまった経験あり。

著者の関連サイト
Dr. ゆうすけ|note
@usksuzuki – Twitter

執筆経験、本書の準備期間
過去の著作点数: 1点(共著除く)
前作から本書発行までの経過期間: 『NOを言える人になる』より3カ月

売れゆき(刷数・発行部数、書店ランキングなど)

情報なし

主観による評価

文体・雰囲気・謙虚さ 内容を詰め込み過ぎた感あり。空白行が全体的に少ないせいもあるが、サラッと読み進めるのは難しい。
他書からの引用、参考文献 多数。巻末での一覧掲載はないが、本文中に都度明記。
誤字・脱字 特に気づかず。誤字・脱字ではないが「確か作家の水野敬也さんだったと思うんだけど」とあやふやな表現が一点あり残念(他はしっかり出典を明示しているのになぜ?もったいない)。
タイトルと内容のギャップ 特に問題なし。

感想

現実の「生きづらさ」を「クエスト(冒険)」に置き換えた例えは、ゲーマーの著者ならではで、ゲームに馴染み深い読者は入りやすそう。

結構、ディープなワード(私がゲームに疎いのもあるが)が随所に出てくるので、イラストはもう少し、ゲーム好きのコアな層が喜びそうなリアルなタッチにした方が「クエスト」な雰囲気が出たのでは? と感じた。

本人自ら「精神内科医ではないのに」と語り、心を病んでしまった友人たちを「できる範囲でサポート」「医師というより、一人の人間として関わってきた」とあり、治療経験と言えるのかは微妙なところ。

逆に、10年にも渡り、<医師という仕事の枠>を超えて、「大切な人に死んでほしくない」という思いで接し続けてきたことは素晴らしいと思う。

何より、著者の凄いところは教養。

数多くの本を読んでいるなと感心する。文中にしっかり出典を明記している点にも、誠実さを感じる(少々クドイくらい)。

要は、僕らは生きるためにもっと「コンテンツ」の力に頼ってもいいんじゃないかっていうのが、一番言いたいこと。

出典:『メンタル・クエスト 心のHPが0になりそうな自分をラクにする本』鈴木裕介 著/大和出版

著者のクリニックでは「コンテンツ処方」といって、相談に来た人のしんどさを軽減するのに役立つ作品や本を紹介しているそう。

理由は、何かの作品の中に自分を見つけたときに苦しみが軽減するから。
自分に似た境遇の登場人物に感情移入した経験は誰しもあると思う。

著者の強みを活かした、良い取り組みだと思う。

「おわりに」がとにかく熱い!

これをまえがきか本文に持ってきた方が良いのでは? と感じるほど、著者の思い、魂が感じられる。

全体的なトーンとしては、ゆっくり休養をとって休む、というよりはタイトルに「クエスト」とあるように、攻略して乗り越えていくような雰囲気。

軽度なうちに読むには、良いかもしれない。

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