『「ひとりで頑張る自分」を休ませる本』大嶋信頼 著/大和書房
なかなか【いい人】をやめられない時は、自分が【いい人】になる(相手を助けようとする)ことで、相手が自ら成長する機会を奪っている(自分が相手を不幸にさせている)と考えるといいかもしれない。
フォーマット | 紙/Kindle(224ページ) |
評価 | |
発行 | 2019年6月 |
出版社 | 大和書房 |
著者 | 大嶋信頼 株式会社インサイト・カウンセリング @FAP2721 – Twitter |
●年生まれ(生年不明) 心理カウンセラー、株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役。ブリーフ・セラピーのFAP療法(Free from Anxiety Program)を開発し、トラウマのみならず多くの症例を治療。カウンセリング歴25年、臨床経験のべ8万件以上。著作は累計45万部を超える、人気カウンセラー。 |
タイトルには【ひとりで頑張る】というワードが入っているが、内容は【いい人】をやめようが主旨。
人に備わっている機能で「真ん中に戻す力」が働くことを【恒常性】という。
元気なときには、落ち着かせるために憂鬱な気持ちを抱かせて中和する。一見迷惑な機能だが、逆に元気がなくなっても、しばらくすると元の状態に戻してくれるメリットもある。
【恒常性】は、個人の体内のホルモンバランスに限らず、人間関係においても働く。
だから、相手を気遣う【いい人】になると、逆に相手は(自動的に)足を引っ張るような【悪い人】になってバランスを取ろうとする。
これは夫婦や親子の関係でも起こる。
よかれと思って【いい人】になると、相手はやむなく【悪い人】を演じさせられるので苦しませることがある。
【いい人】は自分が関わることで【相手を変えられる】と信じている。だから、相手が不幸になっていくと【自分の関わり方が悪い】【自分の力が足りない】と感じて、【不幸の原因は自分にある】とまで考えて自分を責めてしまう。
【いい人】をやらなければ【自分が悪いことをしている】と【罪悪感】を感じてしまうのも錯覚。
相手を助けてしまうと、相手はいつまでたっても成長しないまま、どんどん不幸になる。
【快・不快】の感情にしたがって、不快な時は相手に伝えることが大切。自分は【快】だけを選ぶ。相手のことを幸せにできるという【万能感】を捨てて、自己中心的に考える。
そうすればみんなが幸せになる。
自分がよかれと思って【いい人】になることで、相手が成長せず不幸にさせる原因を作っている、と考えれば【いい人】をやめやすいかもしれない。

