『あやうく一生懸命生きるところだった』ハ・ワン 著/ダイヤモンド社
40歳を目前にして何のプランもないまま会社を辞め、「一生懸命生きない」と決めた著者。会社員兼イラストレーター(6年目)の人生エッセイ。東方神起のメンバーの愛読書としても話題。
フォーマット | 紙/Kindle |
評価 | |
発行 | 2014年8月 |
出版社 | ダイヤモンド社 |
著者 | ハ・ワン(翻訳:岡崎暢子) 著者インタビュー(好書好日) |
●年生まれ(生年不明) 韓国人(男性)。イラストレーター、作家。「2か月後に40歳」との記述あり。 |
翻訳は違和感なく、さりげなく取り上げられている映画や漫画が日本の作品だったりするので、韓国人著者という点を気にせずに読み進めることができる。
オッサンのぼやき・愚痴との評もあるが、成功者や医者・カウンセラーたちが経験談、医学的根拠を語る自己啓発系のノウハウ本にはない爽快感がある。
随所に出てくるイラストも機知・ユーモアに富んでいて、思わず吹き出してしまうものがあり楽しめる。
僕たちは、自由を得る(お金で買う)ために働いている。なのに、結局はまた働くために自由(自分の時間)を売ってお金をもらっている、という皮肉。これを解決するためには、もっと働いてたくさんのお金を稼がなければ・・・ とお金の奴隷になりがち。
お金のために自由を後回しにし続ければ、僕らは一生自由になれない。未来のために我慢してお金を稼ぐのではなく、つつましい暮らしでいいから、現在の自由のために稼ぐ。欲を捨てるのではなく、過度な期待をし過ぎずに、肩の力を抜いて夢に向かう人生が楽しい。
【一生懸命】は我慢してやり遂げる意味が含まれている。
【結果】を得ることだけを急がず、【過程】を楽しむ態度が重要。「天才は努力する者に勝てず、努力する者は楽しむ者に勝てない」という孔子の言葉を取り上げて
楽しむのは良いことだが、必ずしも人に勝とうとするべきではない
と著者は述べる。
【一生懸命】はもうやめよう。そして【過程】を楽しむという新しい生き方に、思わずチャレンジしたくなる本。
※韓国で25万部、日本では4.5万部(2020年2月26日付 著者インタビュー記事[好書好日]より)。

