この評価基準をつくったワケ
こんな情報があったら本を選びやすいのに・・・
Amazonなどのオンライン書店に行けば、本のだいたいの内容が分かり、読みたい本がとても探しやすくなりました。しかしながら
売れているからといって良書とは限りません!
年々、本の質が落ちている気がしてなりませんが、良書は存在します。ただ残念なことに、書店に行っても見つけるのが難しいのです。
カスタマーレビューは参考にはなります。
しかし、どんな著者がどんな読者向けに書いた本なのか・・・伝わりにくい。
ビジネス書を1,000冊以上読んだ経験から、こんな評価基準があれば、その分野に詳しくない読者が求めている本を探しやすいのでは?
と思い、このブログでは以下の【評価基準】をもとに読んだ本を紹介・評価していきたいと考えています。
各項目(評価基準)の説明
以下、「もしかして、適応障害? 会社で“壊れそう”と思ったら」(森下克也著/CCCメディアハウス)を例にして、このブログで紹介する書籍の評価基準について説明します。
※なるとしの紹介記事はこちら
評価 | |
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購入形式(紙・Kindle・Audible) | 紙/Kindle(Audibleなし) |
出版社 | CCCメディアハウス |
試し読み | 可能 |
紹介ページの充実度 | 充実しているので購入検討にあたっては是非参考にすべき(Amazon紹介ページ) |
評価はあくまでも主観ですが、5段階の評価をつけます。購入にあたり、レビューを参考にする人は多いと思いますので、Amazonの紹介ページにリンクを貼ります。
読書方法も人それぞれ・・・
Kindle版やAudible版の有無についても記載します(最新情報はAmazonページでご確認ください)。私のように紙の本を読まない人は、Kindle版が出ているかどうか重要な情報。一方、Audible版は満員電車の中でも聞けるし、紙の本を読むのが億劫な人にも手軽に読書ができて便利です。
自費出版を中心に発行している聞いたこともないような出版社の本、Kindle版しか出ていない本については、セルフ出版のKDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング)である可能性があり、必ずしも質の高くない本もあるので注意が必要です。
ただし、有料のKDP本であっても、苦労した同志を支援する意味で、積極的に購入して紹介していきたいと考えています。
試し読みデータの有無、紹介ページの充実度は、著者や出版社(本の作り手)の思い入れに比例すると思います。「充実している」本は是非、Amazonに訪れて確認して欲しいと思います。
誰が書いた本?
著者名 | 森下克也 |
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執筆時の年齢(出版年-生まれ年) | 57歳(2019年出版-1962年生まれ) |
関連サイト |
著者の年齢は非常に重要です。
自分と同世代であれば、たどってきた時代背景や価値観が似通っている可能性が高いので、共感を持ちやすいかも知れません。
年長者(人生の先輩)だからといって必ずしも、参考にならない場合もありますし、逆に年下であっても新しい視点でアドバイスが得られるかも知れません。
著者の人となりを知る上で参考となる、著者自身のホームページや代表的な紹介サイトなどのリンクを付記します。
どんな立場で書かれている?(専門家 or 経験者)
著者の職業 | 心療内科医 |
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経験・キャリアなど執筆背景 | 大学病院での勤務時代にストレスに苦しんだ旨の記載はあるが、自身がうつなどの病気を患った経験については書かれていない。 |
今はあなたが欲しているのは次のうちのどの情報でしょうか?
- 医者やカウンセラーの立場で治療にあたってきた専門家からのアドバイス
- 同じような辛さを味わい、克服した人(なるべく自分に近い境遇の人)の体験談
- 身近な人が病んでしまい、一緒に辛さを乗り越えた人の体験談
- 病気や薬などについての知識
同じメンタルヘルスをテーマにした本でも、著者の立ち位置が違えば内容が全く異なるものとなります。書籍紹介だけでは一見してわかりにくいので、これらの情報をぜひ参考にして頂ければと思います。
執筆経験、本書の準備期間
過去の著作点数 | 12点 |
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前作から本書発行までの経過期間 | 約7カ月 |
著者になるのはそう簡単なことではありません。
自費出版は別として、商業出版として本を出せるのは、出版社に専門家として認められ、「出せば売れる」と言わしめたひと握りの人間だけです。
ただし、著作は多ければ多いほど良いという訳ではありません。
本というものは、そんなに短期間で書けるものではないからです。数多く出しているからといって、全てが良書とは限りません。目先を変えただけの焼き直しの本も多く、売れっ子著者であればあるほど、執筆にかけられる時間も少なくなってきます。
一度売れれば、出版社は著者の名前で売ろうとしますし、著者は執筆の話が来れば「次はないかも」と思い、たとえ十分な時間が割けないことがわかっていても、オファーを受けざるを得ないでしょう。
もしかすると、1冊目の方が著者の思い入れも強く、読者思いの本に仕上がっているかも知れません・・・
売れゆき(刷数・発行部数、書店ランキングなど)
刷数・発行部数 | 情報なし |
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書店などのランキング情報 | 情報なし |
良書かどうかは、その本が売れているかどうかに比例しない場合もあり、注意が必要ですが、参考にはなります。
Kindle版には刷数の記載はないので、紙の本を手にした場合の情報に限られますが、情報を入手できた場合には記載する予定です。
発行部数やベストセラーランキングなどへの掲載情報についても、売れゆきの客観的な情報として載せたいと思います。
主観による評価
文体・雰囲気・謙虚さ | 大変謙虚な姿勢で好感が持てる。上から目線なところは一切感じられない。 |
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他書からの引用、参考文献 | 普通 |
誤字・脱字 | 特に気づかず |
タイトルと内容のギャップ | 問題なし |
専門家だからといって、うぬぼれや偉そうな物言いには聞く耳は持てない・・・そう思いませんか? あくまでも主観ではありますが、謙虚な文体かどうかは読後感として載せておきたいと考えています。また著者自身の弱さや苦手なところを少しでも曝け出されていると、読者との距離が縮まる気がします(参考記事:メンタル本の著者が経験した【病気】や【状況・症状別】まとめ)。
インプットが少ない著者の本は、他書からの引用や参考文献の掲載が少ない傾向にあります。
貪欲に情報収集していないと、過去の曖昧な記憶にもとづいて書くことになるため、出典などが不明確となりがちです。しっかりと出典を示している本は、それだけで説得力が増すと思います(参考記事:【参考文献】が明記されている本がなぜ【誠実】に作られた本だと言えるのか?)。
著者がその本にどれだけ労力を割いたのかの判断材料になり得るのです。
引用なしで勝負できるほど確立された権威を持つ著者はほとんどいませんし、売れっ子著者であるほど多忙で【easy】な本に仕上がってしまいがちで、読者をがっかりさせることが多い、というのが私の印象です。
残念なことに誤字・脱字が目立つ本は多々存在します。
著者や編集者がチェックを怠っているわけですが、要は本を世に出すまでに十分な時間が費やされていないのだと思います。
タイトルと内容にギャップがある商品にも腹が立つことがあります。
たまにそんな本でも良書である場合もあるのでため息が出ます。備忘録に近いですが、項目として入れています。
(2020/12/05 追記)
ここまで詳細な情報を求めている人がいなさそうなのと、より多くの本を取り上げる方針に変更したため、この形式での紹介は減らすことにしました。
また、なぜ自分がダメ出ししたくなるのか分かった気がするので、少し控えめに書くことにしました。不快な気持ちにさせてしまった方、申し訳ございません。