こちらの記事では、【疲れた心が楽になる】メンタル本を探すときに3つの着眼点についてご説明します。
「しんどいな・・・」と感じたときには、どんな本を読めばいいでしょうか?
本のタイトルに「疲れた心が楽になる」というワードが入っている本を読めばいいのでは? このように思われた方もいらっしゃると思います。
しかし、「疲れた心が楽になる」なんて言葉、あまりにも漠然としています。
自分が求めている内容、困っている状況に対する対処法がズバリ書かれているとは限りません(むしろテーマが広すぎるので読者ターゲットが不明確。ハズレの確率が高そうです)。
結論を先に言ってしまうと・・・
本を探すためのアプローチ(着目すべきポイント)は3つあります。
着目すべき3つのポイント
- 取り組んでいる<こと>に着目する
- 関わっている<人>に着目する
- 自分の<性格・タイプ>や陥っている<状況・症状>に着目する
もしあなたが「しんどいな・・・」と感じているとき、今取り組んでいる<こと>を楽しめていないのかも知れません。
ストレスを感じてつらい時の大半の理由は人間関係だと言われています。
楽しめる<こと>に取り組んでいるはずなのに、つらいと感じる場合には、関わっている<人>に着目してみましょう。
それでもピンとこない場合には、自分の<性格・タイプ>に着目してみてはいかがでしょうか。
あるいは、特定の状況で疲れてしまう、あるいは何か症状が現れている場合には、これらの<状況・症状>といった点に着目すると、ヒントが得られるかも知れません。
それでは、3つのアプローチについて順を追って説明していきましょう。
① 取り組んでいる<こと>に着目する
孔子の言葉に「知るは好むに及ばず、好むは楽しむに及ばない」という意味合いの教えがあります(こちらの記事でくわしく説明)。
天才は努力する者に勝てず、努力する者は楽しむ者に勝てない
と意訳されることもあります。ハードルの元日本記録保持者である為末大氏も著書の中で、次のように語っています。
才能のある人は、練習の一部は娯楽になっている可能性がある。しかし、才能のない人たちにとってみたら、練習は苦役でしかない。
出典:『諦める力』為末大 著/プレジデント社
つまり、娯楽=楽しめる<こと> に取り組んでいるかどうかが、しんどいと感じるかどうかの分かれ目になってくる、ということだと思います。
苦役=ストレスを感じている<こと> から【逃げる】あるいは【あきらめる】といった行為が、私が提案したい1つ目のアプローチ、<こと>に対する対処法 となります。
一見、ネガティブに感じられるこれらのワードも、最近ではポジティブにとらえている本が多数あります。
ぜひこれらの本から【疲れた心が楽になる】ヒント をつかんでください。
取り組んでいる<こと>は楽しめるはずなのにつらいのは、対人関係がストレスとなっているのかもしれません。
この場合、職場(異動)や会社(転職)を変えることができれば、取り組んでいる<こと>を変えず、また対人関係のストレスを解決せずに、つながり自体を断つことができます。
これは【逃げ】でも【あきらめ】でもありません。<楽しめる>環境に移るための、前向きな選択肢なのですから。
心が疲れているときは大変かもしれませんが、気持ちの整理だけでなく、頭の整理をしてみてはいかがでしょうか。
② 関わっている<人>に着目する
取り組んでいる<こと>に対するアプローチが難しい場合、いよいよ関わっている<人>への対処が必要となるかもしれません(いまだに私はこの対処に苦労しています)。
<人>への対処については、ご存知の通り、昔から数多くの本が存在します。
注意すべきことは、自分の<心の疲れ具合>に応じた本を選ぶこと
同じ「苦手な人」の対処法をテーマとした本であっても、ビジネス分野のプロフェッショナルの著者が書いた本もあれば、心療内科医が書いた本もあります。
前者は、仕事術のようなパワーを要する内容の本が多いですし、後者は精神科医が書いたゆるめの優しい内容の本が多いでしょう。
しかし、そう簡単に区別できないところが本の面白いところです。
バリバリのビジネスエリート著者がうつの闘病談を明かして、読者に親身に語りかけてくれる本もあれば、上から目線で「おまえの努力が足りない」とばかりに、病んでいる読者にプレッシャーをかけてくるような、医者の本もあります。
こちらに著者の職業・年齢別一覧と意識する理由についてまとめましたので、よろしければご参考ください。
【苦手な人・嫌いな人】への対処法についての本は、こちらにピックアップしましたので、あわせてご参考ください。このような【疲れた心が楽になる】アプローチやピックアップテーマは今後増やしていきますので、たまにお立ち寄りいただけると嬉しいです。
③ 自分の<性格・タイプ>や陥っている<状況・症状>に着目する
<こと>や<人>への対処は外に対象を求めるアプローチでした。
3つ目は自分自身に着目するアプローチです。
原因の特定が難しい場合、自分の<性格・タイプ>あるいは<状況・症状>に着目してみてはいかがでしょうか。
私が着目しているテーマ、キーワードを参考までにピックアップしてみます(Amazonの検索結果ページにジャンプします)。
自分に当てはまる心当たりのキーワードがあれば、<こと>と<人>の両方についてのヒントが得られるでしょう。
<テーマ別のブックリスト>はこちら
②でも触れましたが、共通して言えることはコレです!
自分に合った本(良書)に出会う確率を上げるためのコツは、どんな<著者>が書いた本かを確認すること
ここまでの説明で、テーマ(アプローチ)について絞ることができるのではないでしょうか。
続いて、選んだテーマ(アプローチ)について書かれた多数の本の中からどの本を選ぶべきか? その着目ポイントについて説明していきたいと思います。
自分で本を選ぶときの着目ポイント
自分に合う<著者>を見極めるための3つのポイント
- 職業
- 性別・年齢
- 経歴(病歴・境遇含む)
著者の<職業>に着目する
先ほど書いた内容と重複しますが、著者が医者やカウンセラーの場合、医学的な正確な知識が得られるだけでなく、治療というスタンスで書かれているので、<無理しないで、休んでいいよ>系のやさしい本が多い傾向にあります。
一方、ビジネス寄りの著者は、<仕事術で攻略する>系のハードな内容も多いので注意を要します(メンタル強化、攻略していこうという強めのトーンの本については、後日ブックリストとしてアップする予定です)。
<前者>はさまざまな患者と接した経験に基づいて書かれているので安心な反面、読者によっては内容がゆる過ぎると感じる可能性があります。
逆に<後者>は、医学的な知識というよりは、自身の体験に基づいて書かれているので、実践するにはハードルが高いケースが多いように思います。
しかし、知名度の高い成功者の場合は別です。
著者のことをリアルにイメージしやすいので、(実践できるかどうかは別として)読者によってはモチベーションが上がるでしょう。おそらくアスリートの本も同じような効果、刺激が期待できるのではないでしょうか。
最近では、上記のいずれでもない、一般の人が自分で描いたイラストや漫画を入れて本を出すケースも増えていますね。
これらは文字が少なくて読みやすいです。医学的な情報についても、医者・カウンセラーが監修として関わるケースが多いので安心ですね。
著者の<性別・年齢>に着目する
男性と女性では価値観が違いますし、女性著者の場合にはメインの読者ターゲットを女性に置いて書かれていることがあるので、注意が必要です。
年齢が自分より年上か、年下かという点も参考になります。
自分と大差がなければそれほど気にはなりませんが、大きく離れている場合には著者の主張に共感しにくい場合もあります。ただし、自分の年齢とギャップがあれば、新しい視点を得ることにもつながるので、年齢差が悪いというわけではありません。
疲れている場合、たくさんの本を読むのは大変かも知れませんが、少なくとも同じテーマで2~3冊は読みたいところです(マンガ版を取り入れてみるとハードルが下がりますよ)。
異なる職業、年代の著者の本を読み比べれば、自分が思いも寄らなかった新しい視点・対処法に出会えるかも知れないので、オススメですよ!
著者の<経歴(病歴・境遇含む)>に着目する
最近は、ブログやTwitterで闘病談を語り、書籍化される事例が多いようです。
自分と同じ境遇、症状や病気を乗り越えた著者のメッセージは、医者・カウンセラーとは違った説得力があり、苦しんでいる私たち(読者)にパワーをくれます。
以前のビジネス書であれば、著者自らがうつ経験などを明かすことは、読者にネガティブに受け取られるせいか、あまり目にすることはありませんでした。
しかし昨今では、精神科医自身がうつ病を克服した本、ビジネス分野の著者も自らの闘病経験やつらい過去を明かしている本が多く見受けられます(初めて話題になったのは宮島賢也氏の本ではないでしょうか)。
逆に、弱い部分を一切さらけ出していない著者もいます。
こうした著者ほど、文章は上から目線で横柄な場合が多いので残念です(あくまでも私の印象ですが)。
個人的には、弱っている読者に少しでも著者の弱みをさらけ出してくれた方が親近感がわくのですが・・・
闘病経験やつらい過去を明かしている著者についてはこちらの記事にまとめましたのでご参考ください(「私と同じ適応障害で苦しんでた著者なんだ」なんて探し方ができますよ)。
また著者の<人となり>については、公式webサイトやTwitterなどで知ることができます。いちいち探す手間を省くため、このブログで紹介している本には、リンクを貼っているので訪れてみてはいかがでしょうか。
トップページの雰囲気やキャッチコピー、著者本人の写真が掲載されていれば、それだけで著者の人柄が伝わってくると思いますよ。
藤野智哉氏の本紹介ですとこんなイメージです。
↓ ↓ ↓
フォーマット | 紙/Kindle |
評価 | |
発行 | 2019年10月 |
出版社 | ワニブックス |
著者 | 藤野智哉 @tomoyafujino – Twitter ワニブックス 著者インタビュー |
1991年生まれ(執筆時:28歳) 精神科医。3歳、4歳、5歳のときに川崎病を患う。後遺症で冠動脈障害が残り、学生時代から激しい運動を制限される。大学時代は弓道部に所属。『マツコ会議』(日本テレビ)、『バイキング』(フジテレビ)に出演して話題に。 |
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※詳しい紹介記事はこちら |
まとめ
- 取り組んでいる<こと>に着目して、楽しめていなければ<こと>を変える
- ダメなら、関わっている<人>への対処法を学ぶ
- 自分の<性格・タイプ>、陥っている<状況・症状>別に対処法を学ぶ
- 自分に合う本(著者)かどうか判断するには以下の3点に着目する
・ 職業
・ 性別、年齢
・ 経歴(病歴・境遇含む)