【いい人】について取り上げるとき、なぜこうもネガティブに捉えることが多いのだろう。「あの人、いい人だよね」と話す口ぶりには、リスペクトする気持ちはあまり感じられない。むしろ小馬鹿にしているような気さえする。
「あの人、損だよね」
「あの人、少しおせっかいだよね」
「頼んでもいないのにね」
こんな心の声が聞こえてきそうだ。
【いい人】と呼ばれている当事者たちも、あまりポジティブな印象を抱いていない。そして【いい人】をやめられずに困っていることが多い(私自身含む)。
以下の本が【いい人】をやめるためのヒントとなれば嬉しい。【いい人】の定義が本によって違うのでご注意を。また著者の職業もご参考に。
※発行年月が新しい順に並んでいます(随時更新)。
『「ひとりで頑張る自分」を休ませる本』大嶋信頼 著(2019年)
フォーマット | 紙/Kindle |
評価 | |
発行 | 2019年6月 |
出版社 | 大和書房 |
著者 | 大嶋信頼 株式会社インサイト・カウンセリング @FAP2721 – Twitter |
●年生まれ(生年不明) 心理カウンセラー、株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役。ブリーフ・セラピーのFAP療法(Free from Anxiety Program)を開発し、トラウマのみならず多くの症例を治療。カウンセリング歴25年、臨床経験のべ8万件以上。著作は累計45万部を超える、人気カウンセラー。 |
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なるとし
この本を自信をもってオススメします!!
タイトルには【ひとりで頑張る】というワードが入っているが、内容は【いい人】をやめよう、が主旨。本書で紹介されている【いい人】は次のようなタイプの人だと述べられている。
※詳しい紹介記事はこちら |
『「いい人」をやめる脳の習慣』茂木健一郎 著(2018年)
フォーマット | 紙/Kindle |
評価 | |
発行 | 2018年11月 |
出版社 | 学研プラス |
著者 | 茂木健一郎 @kenichiromogi – Twitter 茂木健一郎 公式ブログ Powered by LINE – LINE BLOG 茂木健一郎Ken Mogi – YouTube 茂木健一郎 – Wikipedia |
1962年生まれ(執筆時:56歳) 理学博士。脳科学者。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。専門は脳科学、認知科学。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究する傍ら、文芸評論、美術評論にも取り組む。 |
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「頼みごとをされると、何でも引き受けてしまう」 「他人から嫌われることが怖くてNOと言えない」 このような【いい人】は、都合のいい人、他人から利用されて損をしてしまう。 人から認められたいという【承認欲求】は必要な欲求であるが、行き過ぎてしまうと「わがままを言ってはいけない」「価値のある人間でなければならない」という考えに至り、過重なストレスを与えて体調を崩す原因にもなる。 【いい人】は常識人。大きな成果を求めて成功する人は、脳の抑制を外して自由に行動している。固定観念に振り回されず、期待に応えるのではなく超えていく。 自分らしさを大事にすると、自然体でリラックスできる。自分の色が出てくると存在感も増す。好き嫌いがはっきりしてくるが、他人の目を窺い、無意識に相手が望む【いい人】を演じていては、周囲との不要な衝突は避けられるかも知れないが、信頼関係を得ることはできない。 人間関係を上手に営むには、自分の気の合う人だけで固めず、全方位外交を目指した方がいい。ユーモアセンスを磨き、自身の価値、貢献できることを発信してセルフ・ブランディングしていくことも大切。 脳科学の裏付けにもとづくメッセージはあまり多くない。全体を通して<人間関係のコツ>のようなものがメインで、【いい人】をやめないと成功できない、といったメッセージが感じられる本。 |
『「いい人」をやめる7つの方法』緒方俊雄 著(2017年)
フォーマット | 紙/Kindle |
評価 | |
発行 | 2017年7月 |
出版社 | 主婦の友社 |
著者 | 緒方俊雄 SOTカウンセリング研究所 |
●年生まれ(生年不明) 臨床心理士、産業カウンセラー、日本メンタルヘルス講師認定協会理事。ソニーに21年間勤務後、EAP(従業員支援プログラム)会社で休職者のカウンセリングやメンタルヘルス研修を担当し、2011年にSOTカウンセリング研究所を設立。 |
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なるとし
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※詳しい紹介記事はこちら |
『「いい人」をやめれば人生はうまくいく』午堂登紀雄 著(2016年)
フォーマット | 紙/Kindle |
評価 | |
発行 | 2016年12月 |
出版社 | 日本実業出版社 |
著者 | 午堂登紀雄 午堂登紀雄オフィシャルサイト「Drivin’ Your Life」 @tokiogodo – Twitter |
1971年生まれ(執筆時:49歳) 米国公認会計士。会計事務所、大手流通企業のマーケティング部門、コンサルティングファームを経て、株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。不動産投資コンサルティングをてがけるかたわら、資産運用やビジネススキルに関するセミナー、講演で活躍。自称「投資家兼起業家兼作家」(Twitter)。 |
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本書では「他人に嫌われないよう、万人に好かれるように行動する人」を【いい人】と定義している。
常に他人の目を意識して、嫌われたり、評価が下がったりするのを恐れるので、本当の自分の感情や考えを主張できなくなる。息苦しく、窮屈になって疲れてしまう。 「自分は自分」という自己を確立することで、自分の感情を揺さぶられず、平穏な気持ちで過ごすことができる。 男性ビジネスパーソン寄りの内容で読者を選ぶかもしれない。38個の「〇〇をやめる」を紹介しているが、思い切った開き直りとそれなりのスキルを要する、実践には少々ハードルが高いものが多い印象。 |
『「いい人」をやめればすべてうまくいく!』中島孝志 著(2013年)
フォーマット | 紙/Kindle |
評価 | |
発行 | 2013年12月 |
出版社 | ゴマブックス |
著者 | 中島孝志 中島孝志のキーマンネットワーク @keymannetwork – Twitter 中島孝志 – Wikipedia |
●年生まれ(生年不明) 経営コンサルタント、経済評論家、ジャーナリスト、作家、出版プロデューサー、大学・ビジネススクール講師など。PHP研究所、東洋経済新報社を経て独立。 |
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なるとし
仕事術寄り。パワーのある方向けにオススメします!!
これでもかというほど、【いい人】でいることのデメリットが盛りだくさんの本。読み進めるほど、いかに【いい人】でいるとバカを見るかを痛感させられる。 【いい人】の定義づけは明確にはされておらず、【いい人】の行動やシチュエーションが具体例とともに25個載っており、各々の対処法が簡潔に示されている。以下の5部構成。
ジャンルとしては、仕事術本。爽快な書きっぷりなので気持ちがいいが、ストレスで心が疲れ切っている人には少々刺激が強いかも知れないので、要注意。元気な時に読む方がいい。 |